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レポート「日本の洋上風力:導入拡大に向けた政策課題と展望」公表

 

Climate Integrateは、レポート「日本の洋上風力:導入拡大に向けた政策課題と展望」を公表しました。再生可能エネルギーの中でもポテンシャルが大きい洋上風力の重要性に焦点を当て、導入を加速させるための政策提案を行いました。

洋上風力は、気候変動対策のみならず、日本のエネルギーの安定供給確保や新たな産業形成の観点において、重要な役割を果たすことができます。日本では2012年に、再エネ導入促進を目的とした固定価格買取制度(FIT)が開始されましたが、風力、特に洋上風力に関しては、中国や欧州のようなペースでは導入が進んでいません。

しかし、洋上風力に関連するサプライチェーンの範囲と規模は大きく、国内産業に大きな波及効果をもたらす可能性があります。さらに、世界をリードする中国のみならず、台湾、韓国、ベトナムやオーストラリアでも導入拡大が予想されており、このことは、アジア太平洋地域全体で関連機材などの大きな需要創出と、資材や人材をめぐる競争開始を意味しています。とりわけ浮体式洋上風力は、世界各地で設置が本格化する前に戦略的に推進していくことで、国際競争力のある一大産業に発展させることができます。

本レポートでは、日本で必要な取り組み・論点を整理し、洋上風力の導入拡大に向けて以下の政策を提案しています:

1)国のグランドデザイン策定と明確かつ野心的な目標設定
2)サプライチェーンの規模の可視化とロードマップ策定
3)排他的経済水域(EEZ) における海洋利用の明確化
4)地域社会における合意形成促進