

Climate Integrateは本日、レポート「日本の気候・エネルギー予算 2026:政府予算とGX投資の分析」を公表しました。
本レポートは、政府の気候・エネルギー予算の全体像を明らかにし、独自に分析したものです。その結果、再生可能エネルギー関連予算は全体の3%となり、前年度から減少していることが明らかになりました。
【本レポートのポイント】
① 再エネ予算は3%にとどまり、前年度から減少
2026年度の気候・エネルギー予算(4兆6,593億円・政府予算の3.3%)のうち、再生可能エネルギー関連予算は3%で、前年度から割合も額も減少しています。
② 省エネの中でAI・半導体が大きく増加
分野別では、省エネが過半を占め(52%)、そのうちAI・半導体の配分が最も大きく、前年の3倍以上に増えています。これに化石燃料(21%)、分野横断(12%)が続き、原子力・核融合(10%)の予算も増加しています。

GX推進対策費:2023年度~2026年度
- GX経済移行債による調達資金を財源に政府は10年間に20兆円を先行投資する方針を掲げているところ、2023年度から2026年度までのGX推進対策費は、4年間で総額6.5兆円規模に達しています。
- GX推進対策費は、AI・半導体や原子力など特定分野に先行的に配分されていますが、その配分は、10年間の官民投資目標額(大きい順に自動車、次世代再エネ)とは一致していません。
- GX推進対策費の財源であるクライメート・トランジション利付国債の発行額が年々減少傾向にあり、投資家の需要が減少していると考えられます。
温室効果ガス排出削減目標の達成のためには、政府の気候・エネルギー予算について透明性を高め、予算の規模・配分・効果の検証を行い、毎年の予算措置及びGX投資のあり方を見直していくことが重要です。また、 GX推進対策費予算編成に関して、産業政策と金融政策が一体的に進められることが重要です。
【執筆者コメント】
研究員 山﨑ゆきみ
「政府の気候・エネルギー関連予算では、省エネルギー分野が最も多くなっています。その内訳としてAI・半導体分野への配分が最も大きいことが今年の特徴と言えるでしょう。 一方で、エネルギー転換に不可欠な再生可能エネルギー関連予算は、非常に少なかった前年度からさらに減少しています。また、原子力・核融合分野の予算は増加し、その多くが危機管理や革新炉に配分されています。全体を通じ、気候・エネルギー関連予算の規模や配分が脱炭素にどれぐらい寄与するのかは不透明であり、検証が必要です。」
ディレクター、サステナブル・ファイナンス 溝田裕美
「政府は、GX推進対策費として4年間で総額6. 5兆円を計上しました。一方で、その財源であるクライメート・トランジション利付国債は、2023年度の初回発行以降、発行額が年々減少しており、投資家の需要が減少していると考えられます。今後、産業政策と金融政策が一体的に進められ、国内外の投資家にとって魅力ある商品設計に向けた工夫が期待されます。」